不眠症とはどんな病気?
不眠症とは「寝つきが悪い」「眠っている途中でよく目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」「朝に眠った感じがしない」などの睡眠に関わる問題のために日常生活に支障をきたす状態です。
現在、日本人成人の5人に1人はなんらかの眠りに関する問題を抱えていると言われており、決して珍しい病気ではありません。
純粋に「眠れない」だけの不眠症は少なく、多くはうつ病などの精神疾患や睡眠時無呼吸症候群やホルモンバランスの崩れなどのからだや脳の病気が原因の不眠も良くみられます。
そのため、不眠が長く続く場合には専門医での詳しい原因精査が必要となります。
不眠症のセルフチェック
睡眠で大事な点は、睡眠時間の長短や、中途の目覚めなどの個別の症状を気にされるよりも、朝に目覚ましと大体同じ時間に自然に目覚め、「あ~、良く寝た。今日も一日がんばるか!」という気持ちになり、日中の眠気やダルさがないかを確認することです。
眠った感じがしない、からだの症状や作業能率の低下などがある場合には、早めに専門医を受診されるよう、おすすめします。
当院での診断の進めかた
不眠症と“うつ”は併発する場合が多く、当院では医学的・統計学的に証明された検査で“うつ(抑うつ)”の有る無しのチェックをまずは行います。
ホルモンや血液バランスの崩れが不眠症を引き起こす場合が多いので、採血検査も行います。
また睡眠時無呼吸症候群(SAS)のチェックも重要です。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきをかくタイプを想像しがちですが、実際には無呼吸が主体のタイプもあり、周囲の方が気づきづらい場合もあります。
当院では、ご自宅で簡単にスクリーニング検査ができるよう、携帯用の睡眠時無呼吸検査装置を貸し出しての検査も行っております。
睡眠時無呼吸症候群の疑いが強い場合には、連携専門医療機関にご紹介しての確定診断を行う体制をとっております。
最近ではむずむず脚症候群や、慢性的な痛みやしびれでの不眠も多くなってきており、これらの診断や治療も当院では行っております。
不眠症の診断と治療はとても大事です
不眠症と関連しやすい病気としては、高血圧症・糖尿病・うつ・各種認知症が挙げられており、これらの病気は数珠つなぎに次の病気を引き起こしたりという、悪循環サイクルにおちいる危険が非常に高いと言われています。
※注:本文は医学的な正確性よりも、分かりやすさや過去の臨床経験を優先して記述しております。