自律神経失調症(身体表現性障害)とはどんな病気?
自律神経とは自分の意思で調節できない神経であり、生命活動の維持やその調節のために独自に活動を行う神経系を言います。
呼吸・代謝・消化・循環などの調節を主に司どり、これらのバランスが崩れることで状況に合致しない自律神経症状(のぼせ・動悸・異常発汗・冷え・めまいなど)があらわれるのを、自律神経失調症と称します。
しかしながら、多くは他の心身の病気の一部としてみられる場合が多く、検査で原因疾患が全くみあたらず、症状が自律神経症状にほぼ限定される場合、はじめて自律神経失調症という病名がつきます。
心身症およびメンタル関連では、何が原因でどんな症状が優勢かで病名をつけるため、ちょっとしたお話しの内容の違いでも病名が変更されたり、必要な情報が不足すると専門医でも診断に迷う場合があるのも事実です。
自律神経症状がみられやすい病気のごく一例を以下に挙げておきます。
・症状が自律神経症状にほぼ限定⇒自律神経失調症
・自律神経症状の原因が性ホルモン低下⇒更年期障害
・自律神経症状の原因が甲状腺ホルモン上昇⇒甲状腺機能亢進症
・特定のストレスが背景にあって症状がでる⇒身体表現性障害etc.
・“うつ”が重く、さらに自律神経症状が加わる⇒重症うつ病の部分症状
などです。
当院での診断の進めかた
様々なこころとからだの病気が背景にある場合が多いため、年齢や症状、悩んでいる期間に応じて検査も多岐にわたります。
詳しい問診に加えて、基本的な検査として詳しい貧血検査・生活習慣病(特に糖尿病)・甲状腺ホルモン・水分不足(脱水)・持続する感染症などを調べます。
医学的・統計学的に証明された検査で“うつ(抑うつ)”の有無をチェックしたり、症状によっては脳MRIを施行することもあります。
また40代後半の方やご希望の方には、性ホルモンの検査も併せて行い、より多くの情報をもとにして、より正確で適切な診断をくだすよう、当院では心がけております。
※注:本文は医学的な正確性よりも、分かりやすさや過去の臨床経験を優先して記述しております。