パニック障害とはどんな病気?
パニック障害とは、場所や時間を選ばずに起きるパニック発作(動悸・発汗・過呼吸・窒息感・胸痛・吐き気・めまい・死の恐怖・不安・異常な体感覚など)を起こし、そのために就労(勉学)や日常生活に支障をきたす病気です。
病状が重くなると「また発作を起こすのではないか?」と過度に考える予期不安や、外出して用事を済ます事もままならない状態に進展することもあり、この場合は広場恐怖という病名で再診断される時もあります。
逆に決まった時間や場所、シチュエーションでパニック発作が起きる場合は「○○恐怖症」という診断がつく場合もあります。
当院での診断の進めかた
多くの方はからだの症状にばかり意識が向きがちで、実際は重たい“うつ”を併発しており、からだに赤信号のサインを発している場合もあります。
そのため、当院では医学的・統計学的に証明された検査で“うつ(抑うつ)”の有る無しや、その辛さの程度を必ずチェックします。
貧血・ホルモン変化・循環器疾患・水分不足(脱水)・持続する感染症・強い肩こり(頚肩腕症候群)が原因で似たような症状が出現する場合もあり、これらをパニック発作と誤認している方もいらっしゃいます。
そのため、当院では悩んでいる症状に応じて採血・心電図・胸部写真などのからだの病気がないか調べることを行うのが重要と考えております。
脳の病気や変化によって冷静な判断力や対応力が低下している場合もあり、病状の程度や年令によっては、MRIで脳の異常を確認する場合もあります。
受診にあたってのご注意
パニック障害(各種恐怖症)では、お薬を使用しない治療(非薬物療法)も効果があると言われておりますが、薬物療法に比べて効果を実感するまでに時間がかかる場合が多いようです。
当院では正式な非薬物療法は行っておりませんが、診察時に症状を軽くする実践的なアドバイスを行っております。
認知行動療法などの非薬物療法での治療をご希望される方は、別の先生にご相談されることをおすすめ致します。
また心身双方の症状を軽くするため、やや多めの種類のお薬を継続する期間があります、
背景に隠れている原因を探るための処方を追加する場合もありますが、病状が落ち着けば薬剤の種類や量が減少する方がほとんどですので、ご安心ください。
当院では、副作用がない限り充分な期間処方を継続した患者さまが、結果的には治癒率や改善維持率が高いと実感しております。
そのため「この薬は飲みたくない」と自己選別されたり、「症状が消えたら早々に服薬はやめたい」と治療開始早々からお薬を自己判断で減量・中断する方は、当院での治療が不充分となり、かえって病状が悪化したり遷延する場合もあります。
このようにお薬の服用を潜在的に敬遠される方も、非薬物療法を主体に行っている先生でのご加療をおすすめいたします。
なお、治療に先立ってからだや脳の検査(除外診断と言います)のみを希望される方の受診も承っておりますが、他院での治療を前提とした紹介状作成目的での検査は原則行っておりません。
※注:本文は医学的な正確性よりも、分かりやすさや過去の臨床経験を優先して記述しております。