社交不安障害とはどんな病気?

社交不安障害とは、人前で話す、文字を書く、食事をする、会社で知らない相手からの電話を受けるなどの社交的な場面で強い不安や苦痛を感じ、日常生活に支障を生じている状態を社交不安障害(SAD)といいます。

俗にいう”あがり症”と社交不安障害との違いは、社交的な場面での緊張や不安があっても、日常生活に絶えず支障をきたさない点と考えます。

しかしながら“あがり症”の方でも、知らない人の前でいつも話さなければならない、見知らぬ相手と電話で話さなければならないなど、業務内容が変わったことで、日常生活に支障を生じるようになれば治療の対象となります。

そういう意味では“あがり症”は社交不安障害の予備軍と言っても良いのかもしれません。

社会恐怖症、社交恐怖症、対人恐怖症と呼ぶ場合もありますが、最近では社会不安障害の呼び方にまとまってきています。

当院での診断の進めかた

多くの方は症状にばかり意識が向きがちで、実際は“うつ”を併発していたりする場合もあり、当院では医学的・統計学的に証明された検査で“うつ(抑うつ)”の有る無しや、その辛さの程度を必ずチェックします。

脳の病気や変化によって冷静な判断力や対応力が低下している場合もありますので、病状の程度や年令によっては、MRIで脳の異常を確認する場合もあります。

特定の対人の場面でパニック発作(動悸・発汗・過呼吸・窒息感・胸痛・吐き気・めまい・死の恐怖・不安・異常な体感覚など)を起こす場合もまれではありません。

背景に貧血・ホルモン変化・循環器疾患・水分不足(脱水)・持続する感染症・低血圧などがあり、パニック発作の症状がより重く出現する場合もあり、症状の内容や年令に応じてからだの検査を追加していきます。

受診にあたってのご注意

社会不安障害では、お薬を使用しない治療(非薬物療法)も効果があると言われておりますが、薬物療法に比べて効果を実感するまでに時間がかかる場合が多いようです。

早く症状を改善したい、でもお薬は使いたくない、使うにしても強いのは嫌だ、でも早く治してという訴えをされる方もいらっしゃいます。

このようにお考えの場合には、受診前に薬物療法主体でも良いから症状を軽くして早めに精神的な苦痛や不安を取り除きたいのか?

それとも治療期間や効果よりも治療方法を優先するのかという点を、まずはご自身できちんと決めることが重要と考えます。

当院での治療方針は、まずは薬物療法・非薬物療法にこだわらず、精神的な不安や苦痛を取り除き、生活に支障がない状態をつくること。

次のステップとして、長期的な環境調整や自分なりのこころのコントロール方法を会得し、お薬の種類や量を減らしていくことと考えております。

当院では正式な非薬物療法は行っておりませんが、薬物療法に併せて診察時に症状を軽くする実践的なアドバイスを行っております。

認知行動療法などの非薬物療法での治療を優先してご希望される方は、別の先生にご相談されることをおすすめ致します。

なお、治療に先立ってからだや脳の検査(除外診断と言います)のみを希望される方の受診も承っておりますが、他院で治療するための紹介状作成目的での検査は原則行っておりません。

検査結果は口頭できちんとご本人様にご説明いたしますので、あらかじめご了承ください。

※注:本文は医学的な正確性よりも、分かりやすさや過去の臨床経験を優先して記述しております。

アクセス・診療時間

お問い合わせは019-662-7533まで

診療時間

メンタル系や心療内科で初めて受診される方は、最低限でも3時間ほどのお時間が必要になります。

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列車でおこしの場合:JR山田線山岸駅近く
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